30代の仕事の設計について
30代ではどのようなポジションを狙うべきか
30代では「専門性を意識して成果、実績を積み上げて『○○ならこの人』というポジションを確立する」ことが重要です。つまり、自分の強みを活かしながら、特定の分野で頼られる存在になることを目指します。
例えば、
- プロジェクトの計画ならこの人が一番精緻に立てられるし、安心。
- 新規事業を立ち上げるなら、お客さんのことを誰よりも知っているこの人に意見を出してもらうのが一番。
このように、特定の分野で「この人に頼れば大丈夫」と思われる状態を作ることが、30代のキャリア設計の鍵となります。
そのためにどう働くべきか
1. 仕事のテーマ設定
「やりたいこと」「得意なこと」「喜ばれること」を軸に、仕事のテーマを設定します。その上で、
- 成果を出すために必要なことを考え、挑戦分野(今までやったことがないこと)を決める。
- キャッチアップすべきテーマを設定し、学び続ける。
2. 専門性を確立する
特定の分野において頼られる存在になるためには、
- 業務知識と体系的な理論を説明できること
- 専門的な知識を持っていること
が求められます。
自分の専門性をどう決めるか?
1. OS(自分の特性)を理解する
自分の専門性は 「OS(特性)」と「環境」 で決まります。OSとは、自分の行動特性や強みのことです。
例えば、会社で行動別評価がある場合、それを分析することで自分の強みが見えてきます。私の場合、
- 知的探求心
- 顧客課題の追求
- 俯瞰力
- 挑戦
が同じ等級の人よりも高く、強みとして見られている事が分かります。
これを踏まえて私が「成果を出すための方程式」を考えると、下記のようになります。
- 幅広くお客様の知識や社内のソリューションにアンテナを張る
- 困難な状況を俯瞰して集中状態を作る
- たくさんの挑戦アクションを踏む
要するに、顧客課題の解決策についてあれこれ考えるのが大好きで、
思考量とアウトプットの量で周りが驚くような成果を出している、という事が仮説として立ちます。
加えて私はインプットした内容を社内SNSで発信しており、そこで繋がる社内の有識者たちとの雑談から新しい着想を得る事が多く、「周りが驚く成果」を出すための大事な資産となっています。
2. 勝利の方程式を意識する
「案件の中で本気で解決したものの数」が専門性になります。 このOSを磨くことで 「成果の再現性」 が高まり、異なる職種・役割・会社でも成果を出せるようになると考えられます。
例えば、以下のような成長戦略を意識します。
- 「余力の捻出」を仕組み化できないか?(意思決定の高速化、定型業務の自動化)
- 「勇気」と「思考量」のバランスを最適化する(どのタイミングで一歩踏み込むか)
- 「没頭」できる環境を意図的に作る(集中できる時間帯の活用、環境の整備)
- 「学び」をさらにレバレッジさせる(インプット→アウトプット→仕組み化のサイクル)
上記問いで自分の「成果を出すための仕組み」の生産性をプロと呼べる領域になるよう高め、
人に説明が出来るようになると、新しいフィールドに安心して送り出してもらえるようになります。
3. 環境を活用する
ここでいう環境とは 「課題解決のために、今あるもの」 を指します。
- 今の環境で成果を出すために何があるか?
- 何が不足しているか?
- その中で「自分がやりたいこと」「時間を没頭できること」を探す。
この分野で1〜2時間会話ができるように、時間資本を投下してキャッチアップする。表面的な知識だけでなく、裏側の構造や理論まで学ぶことで、他の分野に転用できる専門性の種を作ることができます。
「この仕事を頼むなら〇〇」と呼ばれる状態を目指します。
案件が終わったら振り返る
案件が終わったら、
- 自分の勝利の方程式
- 専門性の成長
について振り返ります。
例えば、ガス業界の人事労務知識を得たとしたら、それを抽象化し、
- 人事労務領域のよくある非効率な業務パターンが分かった。(他業種への転用が可能に)
- 業務が非効率になる原因のパターンが理解できた。(業務設計の強みに)
- 業務プロセスを変更する時の抵抗パターンについて理解できた(プロセス改善全般の強みに)
このように、知識を掘り下げることで、専門性が別の分野にも活かせるようになります。
30代の落とし穴
強みに集中するだけでは不十分
本書以外でも「30代からは強みに集中しろ」と言われますが、私は 「弱みの補強も重要」 だと考えます。
例えば、私は社会人10年目にして 「計画実行力」が等級平均より低い という課題があります。
- 実際、逆算して成果を考えるのは苦手。
- 圧倒的な行動量でカバーしてきた。
そのため、あまり問題視はされていませんが、計画実行力のみを評価するなら 100点中20点 かもしれません。
しかし、 「優先順位を明確にし、リソース配分を最適化する」 ことができれば、
- より大きな成果を
- 余力を残して出せる可能性がある
つまり 「弱みの補強が、強みをさらに引き出す」 こともあるのです。
まとめ
30代では、アウトプットを最大化するために 下記二点が重要です。
・「仕事のやり方の見直し」
・「キャッチアップ分野の設定と知識の深堀」
アウトプットを最大化する要素を理解し、仕組み化しながら、さらなる成長を目指していきましょう。
参考書籍:
人生の経営戦略――自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20 ~著者:山口周さん
組織にいながら、自由に働く。 著者:仲山進也さん
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